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相続した不動産の名義変更ガイド|相続登記の義務化・必要書類・費用を解説【2026年版】
最終更新: 2026年9月 | 監修: スター不動産株式会社(不動産業界30年・取引実績5,000件)
この記事の結論
相続した不動産の名義変更(相続登記)は、2024年4月から法律上の義務になりました。相続を知った日から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。過去の相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。期限が迫っているのに遺産分割がまとまらない場合は、「相続人申告登記」で暫定的に義務を果たせます。また2026年2月からは、亡くなった方の不動産を全国まとめて調べられる「所有不動産記録証明制度」も始まりました。名義変更をしないと売却もできないため、早めに着手することが大切です。
相続登記(名義変更)とは?
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続人の名義に変更する手続きです。
法務局に申請して、登記簿上の所有者を書き換えます。この手続きを済ませないと、その不動産は法律上まだ亡くなった方のものです。そのため、次のようなことができません。
- 売却する(買主に所有権を移せないため)
- 担保に入れて融資を受ける
- 賃貸に出して安心して運用する
「いずれ売るつもりだから」と後回しにする方がいますが、順序が逆です。売るためにこそ、先に名義変更が必要になります。
相続登記は義務化されました|期限と罰則
2024年4月1日から、相続登記は義務になりました。期限を過ぎると過料の対象です。
改正不動産登記法により、不動産を相続した人は、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に登記を申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります(出典: 法務省「相続登記の申請義務化」)。
注意したいのは、過去の相続もさかのぼって対象になることです。
| ケース | 申請の期限 |
|---|---|
| 2024年4月1日以降に発生した相続 | 不動産の取得を知った日から3年以内 |
| 2024年4月1日より前に相続と取得を知っていて、未登記のままの相続 | 2027年3月31日まで |
| 遺産分割協議が成立した場合 | 協議の成立日から3年以内に、その内容の登記を申請 |
「何十年も前に亡くなった祖父の名義のままだ」という不動産も対象です。期限は2027年3月31日。残された時間は多くありません。なお、相続が過去に起きていても、不動産の取得を知ったのが2024年4月1日以降であれば、知った日から3年以内が期限となります(出典: 法務省「相続登記の申請義務化について」)。
相続登記の期限と手続きの選択肢
遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」
期限までに話し合いが終わりそうにない場合は、相続人申告登記という簡易な方法があります。
これは、戸籍などを添えて法務局に「自分がこの被相続人の相続人である」と申し出る手続きです(2024年4月開始・不動産登記法76条の3)。他の相続人の協力がなくても、相続人が単独で申し出られます。登録免許税はかかりません。
ただし、次の3つの限界があります。
- 義務を果たしたことになるのは、申し出た本人だけです。他の相続人の義務は残ります
- 不動産の権利関係を公示するものではないため、この登記のままでは売却も担保設定もできません
- 遺産分割が成立した後の登記義務(追加的義務)は、これでは果たせません。分割成立から3年以内に、その内容にもとづく相続登記が別途必要です
(出典: 法務省「相続人申告登記について」)
あくまで「期限に間に合わせるための暫定策」と理解しておきましょう。
なお、相続人が複数いる不動産をそのまま共有で登記すると、後の売却で全員の同意が必要になり、手続きが複雑になります。共有名義のまま持ち続けるリスクは小さくありません。
▶関連記事:『共有名義の不動産を売却する方法』
相続登記に必要な書類
必要書類は、大きく「亡くなった方の書類」「相続人の書類」「不動産の書類」に分かれます。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 亡くなった方 | 出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票 |
| 相続人 | 相続人全員の戸籍謄本、不動産を取得する人の住民票 |
| 不動産 | 固定資産評価証明書、登記事項証明書 |
| 遺産分割をした場合 | 遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書 |
最も手間がかかるのが、亡くなった方の「出生から死亡までの戸籍」です。本籍地を何度も移している場合、複数の市区町村に請求する必要があります。取得に数週間かかることも珍しくないため、早めに動き出しましょう。
「どこに不動産があるか分からない」ときの新制度
2026年2月2日から、全国の所有不動産をまとめて調べられる「所有不動産記録証明制度」が始まりました。
これは、本人または相続人が法務局に請求すると、その人が登記上の所有者になっている不動産を全国分リスト化して証明書にしてくれる制度です(出典: 法務省・政府広報オンライン)。
- 請求できる人: 登記名義人本人、相続人などの一般承継人、代理人
- 請求先: 全国どこの法務局でも可(窓口・郵送・オンライン)
- 手数料: 検索条件1件につき1通あたり、書面請求1,600円/オンライン請求は郵送交付1,500円・窓口交付1,470円(検索条件を複数指定すると、その件数分が加算されます)
これまでは市区町村ごとに名寄帳を取り寄せる必要があり、遠方の土地を見落とすことがありました。この制度を使えば、登記漏れを防ぎやすくなります。「親が地方に土地を持っていたかもしれない」という場合に有効です。
ただし、証明されるのは登記の記録にもとづく不動産だけです。表題登記しかない未登記建物は載らず、固定資産税の評価額も記載されません。請求時に指定する氏名・住所などの条件によって結果が変わるため、万能ではない点は理解しておきましょう。該当する不動産がない場合でも、その旨の証明書が交付され、手数料は戻りません。
相続登記の費用はいくら?
費用は「登録免許税」と「専門家への報酬」が中心です。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 登録免許税 | 固定資産税評価額×0.4% |
| 司法書士報酬(依頼する場合) | 5万〜15万円程度 |
| 戸籍謄本などの取得費用 | 数千円〜1万円程度 |
例えば評価額1,000万円の不動産なら、登録免許税は4万円です。
なお、登録免許税には免税措置もあります。評価額100万円以下の土地については、相続登記の登録免許税が非課税になります(租税特別措置法84条の2の3第2項)。田畑や山林、私道などが該当するケースがあります。この免税措置は2027年3月31日までの申請が対象です。適用を受けるには、申請書にその旨を記載する必要があります。
相続登記は自分で申請することもできますが、戸籍の収集や書類作成に手間がかかります。相続人が多い場合や、不動産が複数ある場合は、司法書士に依頼するほうが結果的にスムーズです。
2026年4月からは「住所変更登記」も義務に
あわせて知っておきたいのが、2026年4月1日に始まった住所等変更登記の義務化です。
不動産の所有者は、引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった日から2年以内に変更登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象です。2026年4月1日より前の変更も対象で、その場合の期限は2028年3月31日となります。
あわせて、申請しなくても登記官が住民基本台帳ネットワークの情報をもとに職権で登記を行う「スマート変更登記」も始まっています。ただし職権登記は2年に1回以上の定期的な照会にもとづいて行われるため、売却の予定がある場合は自分で変更登記を申請するほうが確実です(出典: 法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」)。
登記上の住所が古いままだと、売却時に住所変更登記を先に求められ、手続きが増えます。相続登記と同じタイミングで、ご自身の登記簿も確認しておくと安心です。
名義変更が済んだら|売る・貸す・持ち続けるの判断
相続登記が完了すれば、その不動産は自由に扱えるようになります。
判断の目安は次のとおりです。
- 売る: 誰も住む予定がなく、維持費や管理の負担を減らしたい場合。相続税を払った方は、相続開始から3年10ヶ月以内の売却で「取得費加算の特例」が使える可能性があります
- 貸す: 立地が良く、収益を得たい場合。ただし修繕や管理の手間は続きます
- 持ち続ける: 将来住む予定がある場合。ただし空き家のまま放置すると、固定資産税の負担増などのリスクがあります
空き家のまま放置した場合のリスクや、相続不動産を売却する際の手順は、それぞれ次の記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:『和泉市の空き家・実家売却ガイド』
▶関連記事:『和泉市で相続した不動産を売却する方法』
よくある質問
Q: 相続登記を自分でやることはできますか?
できます。法務局の窓口でも手続きの案内を受けられます。ただし、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成には手間と正確さが求められます。相続人が多い、不動産が複数ある、遠方に住んでいるといった場合は、専門家への依頼を検討しましょう。
Q: 相続人の一人が話し合いに応じません。どうすればいいですか?
まずは相続人申告登記で、ご自身の登記義務だけでも果たしておくのが安全です。そのうえで、家庭裁判所の調停など次の手段を検討します。話し合いの行方が見えない場合でも、期限は進んでいきます。
Q: 名義変更をしないと、どんな不利益がありますか?
売却も担保設定もできません。さらに時間が経つほど相続人が増え(数次相続)、話し合いの当事者が何十人にもなるケースがあります。放置は確実に不利になります。
Q: 相続登記と売却は、同時に進められますか?
進められます。登記手続きと並行して査定や販売準備を進めれば、名義変更の完了後すぐに売却へ移れます。当社では査定と並行してご相談をお受けしています。
まとめ
相続した不動産の名義変更は、2024年4月から3年以内の申請が義務です。過去の相続は2027年3月31日が期限で、間に合わない場合は相続人申告登記という手段もあります。2026年からは所有不動産記録証明制度や住所変更登記の義務化も始まり、登記をめぐるルールは大きく変わりました。売るにも貸すにも、まず名義変更が出発点です。早めに動き出しましょう。
▶関連記事:『和泉市の不動産売却ガイド【2026年最新版】流れ・費用・成功のコツを完全解説』
スター不動産は、和泉市・泉大津市・堺市エリアで不動産業30年・取引実績5,000件。相続した不動産のご相談では、査定と並行して手続きのご案内も行っています。「名義が祖父のままで、どこから手をつけたらいいか分からない」という状態からのご相談も歓迎です。まずは無料相談・無料査定からお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年9月時点の制度にもとづく一般的な解説です。登記手続きの具体的な判断や代理申請は司法書士の業務となります。個別の手続きについては法務局または司法書士にご確認ください。
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