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借地・底地の売却ガイド|借地権と底地の違い・売り方・価格の目安【2026年版】

最終更新: 2026年9月 | 監修: スター不動産株式会社(不動産業界30年・取引実績5,000件)

この記事の結論

借地権(土地を借りて建物を所有する権利)も、底地(借地権が設定された土地の所有権)も、どちらも売却できます。ただし単独で売ると価格が下がりやすいのが共通の弱点です。最も高く売れるのは、借地人と地主が協力して「借地権+底地」をセットで同時に売却する方法です。借地権の売却には地主の承諾が必要で、承諾料の目安は借地権価格の10%程度とされています。まずは借地契約の種類と残存期間を確認し、借地に詳しい不動産会社に相談しましょう。

借地権と底地の違い

同じ土地に、2つの権利が重なっているのが借地の状態です。

  • 借地権: 建物を所有する目的で土地を借りる権利。借地人(建物の持ち主)が持ちます
  • 底地: 借地権が設定された土地の所有権。地主が持ち、地代を受け取ります

土地の完全な所有権を100とすると、その価値が借地権と底地に分かれているイメージです。都市部では借地権の割合が大きく、底地の割合が小さくなる傾向があります。この割合は国税庁の相続税路線価図に「借地権割合」として記号で示されており、A(90%)からG(30%)まで10%刻みで定められています。都心部の商業地ほど高く、郊外ほど低くなる傾向です。

ただし注意点があります。借地権割合は相続税・贈与税を計算するための指標であり、そのまま売買価格になるわけではありません。実際の価格は、旧法か新法か、契約の残存期間、地代の水準などで調整されます。

借地権と底地の関係

借地契約の種類を確認する

売却を考える前に、どの種類の借地契約かを必ず確認してください。

契約の種類 特徴
旧法借地権(1992年7月31日以前の契約) 更新が前提で、事実上半永久的に借り続けられる。借地人の権利が強い
普通借地権(1992年8月1日以降) 更新が可能。存続期間は当初30年以上
定期借地権(一般) 存続期間50年以上。更新なし、期間満了で建物を取り壊して返還
事業用定期借地権 事業用建物の所有が目的。存続期間10年以上50年未満。公正証書での契約が必要

旧法借地権は借地人の立場が強く、借地権としての価値も高くなります。一方、定期借地権は期間満了で返還されるため、残存期間が短いほど価値は下がります。契約書が見当たらない場合は、登記事項証明書や地代の領収書などから契約内容をたどることになります。

借地権を売却する方法

借地権の売却には、地主の承諾が必要です。

借地上の建物と借地権を第三者に売る場合、地主の承諾を得なければなりません。承諾なく売却すると契約解除を求められる可能性があります。承諾が得られない場合は、裁判所に申し立てて「借地非訟」という手続きで許可を得る道もありますが、時間と費用がかかります。

売り方は主に3つです。

  • ① 地主に買い取ってもらう: 最もトラブルが少ない方法です。地主にとっても完全な所有権に戻せるメリットがあります
  • ② 第三者に売却する: 地主の承諾(承諾料が必要)を得て売ります。買い手は住宅ローンが通りにくいため、借地に慣れた事業者が中心になります
  • ③ 底地とセットで同時売却する: 地主と協力し、完全な所有権として売却。最も高く売れる方法です。売却代金は借地権割合に応じて分けます

承諾料の目安は借地権価格(更地価格×借地権割合)の10%程度とされていますが、法律で決まった金額ではなく、地主との交渉で決まります。建て替えの際にも承諾料(更地価格または借地権価格の3〜5%程度)が必要になるのが一般的です。

なお、借地非訟の手続きには半年から1年程度かかるとされています。売却のスケジュールに大きく影響するため、まずは地主との交渉を尽くすのが現実的です。

底地を売却する方法

地主側の底地も、単独では売りにくい資産です。

底地は、地代収入は得られるものの、自分で土地を使うことはできません。買い手にとっては利回り目的の投資対象となるため、価格は更地価格よりかなり低くなります。

底地の売り方も3つあります。

  • ① 借地人に買い取ってもらう: 借地人にとっては完全な所有権になるメリットがあり、最も自然な相手です
  • ② 底地買取業者に売却する: 現金化は早いものの、価格は低めになります
  • ③ 借地権とセットで同時売却する: 借地権者と協力する方法。こちらも最も高く売れます

なお、借地権と底地を一部ずつ交換して、それぞれが単独所有の土地を持つ「等価交換」という方法もあります。税制上の特例が使える場合があるため、検討時は税理士にご相談ください。

価格の目安

売り方によって、手取りは大きく変わります。

ケース 価格の傾向
借地権+底地をセットで売却 更地価格に近い金額を狙える(最も有利)
借地権のみを第三者に売却 更地価格×借地権割合よりさらに低くなりやすい
底地のみを第三者に売却 更地価格×底地割合を下回ることが多い

つまり、借地人と地主が対立したまま別々に売ると、両者とも損をしやすい構造です。関係が良好なうちに、セット売却や相互の買い取りを話し合うことが、双方にとって最も合理的な選択になります。

相続で借地・底地を引き継いだときは

相続した借地権・底地も、まず登記と契約内容の確認から始まります。

借地権付き建物を相続した場合、建物の相続登記が必要です。相続は地主の承諾が不要(譲渡ではないため)ですが、地代の支払い先や契約内容は引き継ぐことになります。地主への連絡は早めに行いましょう。

▶関連記事:『相続した不動産の名義変更ガイド|相続登記の義務化・必要書類・費用を解説』

底地を相続した場合は、借地人との契約関係をそのまま引き継ぎます。相続人が複数いる場合、底地を共有にすると地代の管理が煩雑になるため、早めに方針を決めることをおすすめします。

▶関連記事:『共有名義の不動産を売却する方法|全員同意・持分売却・共有物分割を解説』

よくある質問

Q: 地主が借地権の売却を承諾してくれません。

まずは条件面の交渉を試みます。それでも合意できない場合、裁判所に借地非訟を申し立てて許可を得る方法があります。ただし時間も費用もかかるため、地主への買い取り打診など他の選択肢も並行して検討しましょう。

Q: 地代を長く滞納しています。売却できますか?

滞納があると契約解除のリスクがあり、売却も難しくなります。まずは滞納を解消することが先決です。資金面で難しい場合も、状況を整理すれば取れる手はあります。早めにご相談ください。

Q: 建物が古く、価値がありません。借地権だけ売れますか?

借地権付きの土地として売却できる場合があります。ただし建物の解体費用や、契約上の建て替え承諾の要否が価格に影響します。まずは査定で現状を把握しましょう。

Q: 借地上のマイホームを売る場合、税金の特例は使えますか?

自分が住んでいた家屋とともに借地権を売却する場合、要件を満たせばマイホームの3,000万円特別控除を適用できる場合があります。また、売主が負担した譲渡承諾料は譲渡費用として控除できます。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。

Q: 事業用定期借地の期間が終わりに近づいています。

事業用定期借地権は更新がなく、期間満了時に建物を取り壊して更地で返還するのが原則です。残存期間が短くなるほど売却は難しくなるため、早い段階で地主と今後の方針を話し合ってください。

まとめ

借地権も底地も単独では売りにくい資産ですが、借地人と地主が協力してセットで売却すれば、更地に近い価格を狙えます。まずは借地契約の種類と残存期間を確認し、相手方との関係が良好なうちに話し合いを始めることが何よりの近道です。承諾料や借地非訟など特有の論点が多い分野のため、借地に詳しい不動産会社への相談をおすすめします。

▶関連記事:『和泉市の不動産売却ガイド【2026年最新版】流れ・費用・成功のコツを完全解説』

スター不動産は、和泉市・泉大津市・堺市エリアで不動産業30年・取引実績5,000件。事業用借地を含む借地物件を数多く取り扱ってきました。借地人・地主どちらのお立場からのご相談にも対応し、双方にとって納得できる解決策をご提案します。「契約書が見つからない」という段階からでも構いません。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年9月時点の一般的な情報にもとづく解説です。借地非訟などの法的手続きは弁護士、税務の判断は税理士の業務となります。個別の事情については各専門家にご確認ください。

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