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共有名義の不動産を売却する方法|全員同意・持分だけの売却・共有物分割を解説【2026年版】

最終更新: 2026年9月 | 監修: スター不動産株式会社(不動産業界30年・取引実績5,000件)

この記事の結論

共有名義の不動産を丸ごと売却するには、共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すれば売れません。同意が得られない場合でも、「自分の持分だけを売る」「他の共有者に持分を買い取ってもらう」「共有物分割請求で共有状態を解消する」という3つの選択肢があります。ただし持分だけの売却は買い手が限られ、価格も下がりがちです。まずは共有者との話し合いを優先し、それでも動かないときに他の手段を検討するのが現実的な順序です。

共有名義とは?なぜトラブルになりやすい?

共有名義とは、1つの不動産を複数の人が持分(もちぶん)を持ち合って所有している状態です。

よくあるのは次のようなケースです。

  • 相続で、兄弟姉妹が法定相続分どおりに登記した
  • 夫婦や親子で資金を出し合って購入した
  • 離婚時に、住宅の名義をそのままにしている

共有がトラブルになりやすいのは、できることが持分の割合によって制限されるからです。

行為 具体例 必要な同意
保存行為 壊れた屋根の応急処置、法定相続分どおりの相続登記 各共有者が単独でできる
管理行為 短期の賃貸(土地5年・建物3年以内)、共有物の管理者の選任 持分の過半数
軽微変更 形状や効用を著しく変えない範囲の改修 持分の過半数
変更・処分行為 売却、建て替え、大規模な増改築、担保の設定 共有者全員の同意

(2023年4月施行の改正民法251条・252条にもとづく整理)

売却は「処分行為」です。つまり、持分が90%あっても、残り10%の共有者が反対すれば売れません。ここが共有名義の一番の壁です。

なお2023年4月の民法改正で、共有者の一部が所在不明・生死不明の場合や、賛否を明らかにしない場合には、裁判所の決定を得たうえで、その共有者を除いた共有者で決定できる仕組みが設けられました。長年連絡が取れない共有者がいるケースでは、この手続きが選択肢になります。

共有名義の不動産を売る3つの方法

全員の同意が取れるかどうかで、選べる方法が変わります。

共有名義の不動産を売却する3つの方法

方法 内容 向いているケース
① 全員の同意で丸ごと売却 共有者全員が売主となり、通常の売却を行う 全員が売却に賛成している。最も高く売れる
② 自分の持分だけを売却 自分の持分のみを第三者や専門業者に売る 他の共有者が反対、または連絡が取れない
③ 他の共有者に持分を買い取ってもらう 共有者の一人が他の持分を集約し、単独所有にする 誰かが住み続けたい・使い続けたい

結論から言えば、①が最も有利です。物件全体を市場で売れるため、持分だけを売るより高値がつきます。まずは全員での売却を目指すのが基本方針になります。

方法① 全員の同意で売却する|手続きの注意点

全員が合意できれば、手続き自体は通常の売却とほぼ同じです。

ただし、共有ならではの注意点があります。

  • 売買契約には全員が署名・押印する: 遠方の共有者がいる場合は、代理人を立てる(委任状を作成する)方法もあります
  • 売却代金は持分割合で分ける: 諸費用も同じく持分に応じて負担するのが一般的です
  • 譲渡所得税は各自が個別に申告する: 共有者それぞれが自分の持分に応じた譲渡所得を計算し、確定申告を行います
  • 名義が亡くなった方のままなら先に相続登記が必要: 相続登記は2024年4月から義務化されています

▶関連記事:『相続した不動産の名義変更ガイド|相続登記の義務化・必要書類・費用を解説』

なお、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除は、実際にその家に住んでいた共有者であれば、それぞれが適用を受けられる場合があります。逆に言えば、住んでいない共有者には適用されません。適用の可否は個別事情によるため、税務署または税理士にご確認ください。

方法② 自分の持分だけを売る|メリットと大きな注意点

持分の売却は、他の共有者の同意なしに自分だけの判断で行えます。

これは民法上認められた権利で、共有者に拒否権はありません。「話し合いが進まない」「連絡が取れない共有者がいる」という膠着状態を、自分の意思だけで抜け出せるのがメリットです。

一方で、注意点は小さくありません。

  • 売却価格が低くなる: 持分だけを買っても自由に使えないため、買い手は限られます。市場価格に持分割合を掛けた金額よりさらに下がるのが一般的です
  • 買い手が専門業者中心になる: 一般の個人はまず買いません
  • 共有者との関係が悪化しやすい: 見知らぬ第三者が共有者になるため、他の共有者にとっては大きな不利益です。後の話し合いがより難しくなります

持分売却は「最後の手段」と位置づけ、まずは共有者との協議や、次に説明する買い取りを検討することをおすすめします。

方法③ 共有者どうしで持分を買い取る

共有状態を解消する最もおだやかな方法が、共有者間での持分の売買です。

たとえば、実家を兄弟3人で共有しているが、長男だけが住み続けたい場合。長男が弟2人の持分を買い取れば、長男の単独所有になります。弟2人は現金を受け取れ、長男は自宅を確保できます。

進め方のポイントは2つです。

  • 価格の根拠をそろえる: 不動産会社の査定額を共通の基準にすると、話し合いがまとまりやすくなります。「なんとなくこれくらい」で決めると、後から不満が出ます
  • 資金の準備: 買い取る側にまとまった資金が必要です。金融機関によっては持分買い取りのための融資に対応している場合があります

なお、相場よりも著しく安い価格で持分を譲り受けると、差額が贈与とみなされ贈与税の対象になる可能性があります。身内間だからこそ、査定にもとづく適正価格で行うことが大切です。

話し合いがまとまらないときは|共有物分割請求

どうしても合意できない場合、共有者は「共有物分割請求」を行えます。

これは共有状態の解消を求める法的な手続きです。まず共有者どうしの協議を行い、まとまらなければ裁判所に分割を請求します。裁判所が命じる分割方法は、主に次の3つです。

  • 現物分割: 土地を物理的に分けて、それぞれの単独所有にする
  • 賠償分割(価格賠償): 一人が取得し、他の共有者にその持分相当額を支払う
  • 換価分割: 不動産を売却して、代金を持分割合で分ける

裁判となれば時間も費用もかかり、親族関係にも影響します。あくまで最終手段と考え、その前に不動産会社や専門家を交えた話し合いを試すのが現実的です。

共有名義を放置するとどうなる?

時間が経つほど、共有関係は複雑になっていきます。

共有者の一人が亡くなると、その持分がさらに相続されます。3人の共有が、次の代で6人、その次で10人以上に膨らむことも珍しくありません。共有者が増えるほど、全員の同意を得るのは難しくなります。中には面識のない親族が含まれることもあります。

また、共有のまま建物を放置すると、修繕の負担や固定資産税の分担でも揉めやすくなります。空き家の場合は放置リスクも加わります。

▶関連記事:『和泉市の空き家・実家売却ガイド』

「いつか話し合おう」と先送りするほど、解決の難易度は上がります。共有者が少ないうちに動くことが何よりの対策です。

よくある質問

Q: 共有者の一人が認知症になっています。売却できますか?

そのままでは売却できません。売買契約には本人の意思能力が必要なためです。家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任し、後見人が本人に代わって手続きを行う必要があります。時間がかかるため、早めに専門家へご相談ください。

Q: 共有者と連絡が取れません。どうすればいいですか?

住民票や戸籍の附票から住所を追跡できる場合があります。それでも所在が分からないときは、裁判所の手続き(不在者財産管理人の選任など)が必要になることがあります。まずは現状を整理するところからご相談ください。

Q: 持分売却をすると、他の共有者に知らせる義務はありますか?

法律上の通知義務はありません。ただし、黙って第三者に売ると関係は決定的に悪化します。売却を考えているなら、まず他の共有者に買い取りの意思があるか確認するのが望ましい順序です。

Q: 離婚で共有名義の家を売りたいのですが、注意点はありますか?

住宅ローンが残っている場合は、名義と債務の整理が必要です。財産分与の考え方や進め方については、離婚時の不動産売却を扱った記事で詳しく解説しています。

▶関連記事:『離婚時の不動産売却ガイド|財産分与の進め方・税金・注意点を解説』

まとめ

共有名義の不動産を丸ごと売るには全員の同意が必要ですが、同意が得られなくても持分売却・共有者間の買い取り・共有物分割請求という選択肢があります。最も高く売れるのは全員同意による売却です。まずは査定額という共通の基準を用意して話し合いを進めましょう。共有者が増えるほど解決は難しくなるため、早めの着手が何よりの近道です。

▶関連記事:『和泉市の不動産売却ガイド【2026年最新版】流れ・費用・成功のコツを完全解説』

スター不動産は、和泉市・泉大津市・堺市エリアで不動産業30年・取引実績5,000件。共有名義のご相談では、まず全員が納得できる査定額をご提示し、共有者間の調整からお手伝いします。持分の買い取り、全体売却のどちらにも対応可能です。「兄弟で話がまとまらない」という段階のご相談も歓迎します。まずは無料査定・無料相談からお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年9月時点の一般的な情報にもとづく解説です。共有物分割請求などの法的手続きは弁護士、税務の判断は税理士の業務となります。個別の事情については各専門家にご確認ください。

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