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和泉市で相続した空き家をどうする?|住む・貸す・売るの判断ガイド【2026年版】

最終更新: 2026年10月 | 監修: スター不動産株式会社(不動産業界30年・取引実績5,000件)

この記事の結論

相続した空き家の選択肢は「住む」「貸す」「売る」の3つです。そして4つめに「放置」がありますが、これだけは避けてください。空き家は持っているだけで固定資産税と維持費がかかります。管理が不十分だと行政から勧告を受け、土地の固定資産税が最大で約6倍に増える可能性もあります。判断の順序は決まっています。まず「誰かが住む予定があるか」を家族で確認し、次に「貸せる状態か」を建物の状態と費用で判断します。どちらも難しければ売却です。迷っている間にも、売却で使える税制特例の期限は進んでいきます。

和泉市周辺の空き家は、いまどういう状況か

和泉市の空き家率は全国平均を下回っていますが、賃貸用住宅に限ると4戸に1戸が空いています。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家率は13.8%で過去最高となりました。南大阪エリアの状況は次の通りです。

市 空き家率
全国 13.8%
大阪府 14.2%
和泉市 11.42%
堺市 12.90%
泉大津市 13.98%

(出典: 総務省「令和5年住宅・土地統計調査」、大阪府公表資料)

和泉市は全国平均・大阪府平均をいずれも下回る水準です。住宅需要が比較的保たれているエリアだと言えます。一方で、和泉市の賃貸用の空き家は約25%にのぼります(同調査の和泉市の賃貸用の空き家5,990戸を、借家17,430戸と合わせた戸数で割った概算)。貸すために用意された住宅の4戸に1戸が、入居者のいない状態ということです。

この2つの数字から読み取れることがあります。「売る」なら買い手が見つかりやすい一方、「貸す」は競争が激しいということです。相続した家をそのまま賃貸に出せば借り手が付く、という前提は危険です。

選択肢は3つ|住む・貸す・売る

それぞれの向き不向きを、先に整理しておきます。

相続した空き家の3つの選択肢と判断の流れ
相続した空き家の3つの選択肢と判断の流れ
選択肢 向いているケース 主なハードル
住む 相続人や子世代に居住ニーズがある/建物が比較的新しい リフォーム費用/通勤・通学の利便性
貸す 駅近など立地が良い/建物が使える状態 修繕費の先出し/空室リスク/管理の手間
売る 誰も使う予定がない/遠方に住んでいる/早く手放したい 価格と時期の調整

どの選択肢を選ぶ場合でも、先に済ませておく手続きがあります。相続登記(名義変更)です。亡くなった方の名義のままでは、売ることも、賃貸として貸し出す契約を結ぶことも、担保に入れることもできません。

2024年4月から相続登記は義務化されています。期限は、所有権を取得したことを知った日から3年以内です。なお、2024年4月1日より前に相続が発生していた不動産も義務の対象で、その場合の期限は2027年3月31日までとされています(出典: 法務省)。「ずっと親の名義のままになっている」というご家庭は、この期限を確認してください。

▶関連記事:『相続した不動産の名義変更ガイド|相続登記の義務化・必要書類・費用を解説』

選択肢1|自分や家族が住む

費用は「取得」ではなく「修繕」にかかります。ここを見誤ると後が苦しくなります。

相続した実家に住む場合、家そのものの購入費はかかりません。ただし築年数が経過した住宅では、水まわり・屋根・外壁・耐震性能などに手を入れる必要が出てきます。

判断の前に確認したいのは次の3点です。

  • 耐震性: 昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた住宅は旧耐震基準です。耐震診断と補強工事の費用を見込む必要があります
  • 修繕の規模: 水まわりの更新だけで済むのか、間取りまで変えるのか。見積もりを取って、総額を把握してから決めます
  • 他の相続人との関係: 一人が住む場合、他の相続人との間で代償金(住む人が他の相続人に支払う金銭)をどう扱うかを決めておく必要があります

3つめは見落とされがちです。相続人が複数いるのに「とりあえず長男が住む」と曖昧なまま共有名義にしてしまうと、将来売却するときに全員の同意が必要になります。共有名義のまま時間が経つと、次の相続で権利者がさらに増えていきます。

▶関連記事:『共有名義の不動産を売却する方法|全員同意・持分売却・共有物分割を解説』

選択肢2|貸して家賃収入を得る

「家賃が入る」の前に、「いくら先に出るか」を計算してください。

貸すという選択肢は、建物を手元に残しながら収入を得られる点が魅力です。ただし賃貸に出すには、入居者が住める状態まで整えなければなりません。

必要になる主な費用は次のようなものです。

  • 原状回復・修繕費: クロス・床・水まわりの更新。築古住宅では100万円を超えることも珍しくありません
  • 残置物の処分費: 家財や遺品の整理費用
  • 管理費: 管理会社に委託する場合、家賃の5%程度が一般的です
  • 固定資産税・保険料: 貸していても所有者の負担として続きます

ここで前述の数字が効いてきます。和泉市では、貸すために用意された住宅の約4分の1が空室です。修繕に100万円かけても、借り手が付かなければ回収できません。駅からの距離・間取り・駐車場の有無が周辺の賃貸物件と比べて競争力があるか、冷静に見る必要があります。

もう一つ、戸建て賃貸には固有の難しさがあります。設備が故障したときの修繕義務は貸主にあり、給湯器やエアコンの交換が突発的に発生します。遠方に住んでいる場合、対応は管理会社任せになり、その分の手数料もかかります。

判断の目安: 年間の家賃収入から税金・管理費・修繕積立を引いた金額が、売却して得られる資金の運用と比べて見合うかどうか。空室期間を年2ヶ月程度は見込んで試算するのが現実的です。

選択肢3|売る

期限のある税制特例が使えるのは、売却を選んだ場合だけです。

誰も住む予定がなく、賃貸にも向かない場合は売却が現実的です。売り方は大きく3つあります。

売り方 向いているケース
現状のまま買取 老朽化が進んでいる/残置物が多い/遠方で手間をかけられない
古家付き土地として仲介 建物がまだ使える状態/時間に余裕がある
解体して更地で仲介 建物に値が付かないが土地の立地が良い

売却を選んだ場合、「空き家の3,000万円特別控除」という特例が使える可能性があります。被相続人が一人で住んでいた家屋を売った場合、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。ただし売却期限は、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までと決まっています(出典: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。

注意点が2つあります。2024年1月1日以後の売却では、相続人が3人以上の場合の控除上限が1人あたり2,000万円に縮小されたこと。そしてこの制度自体が、2027年(令和9年)12月31日までの売却を対象とする期限付きの措置であることです。

ここが「迷う」ことのコストです。住むか貸すか売るかを3年迷えば、特例が使える期限は過ぎてしまいます。

売却の手順・解体の判断・税制特例の詳しい要件は、次の記事で解説しています。

▶関連記事:『和泉市の空き家・実家売却ガイド|放置リスク・売り方・税金の特例を解説』

迷ったときの判断手順

次の順番で確認すれば、答えは自然に絞られます。

  • STEP1 家族に住む人がいるか確認する: 相続人全員に「住む可能性があるか」を具体的な時期つきで聞きます。「いつか使うかも」は「使わない」と同じです
  • STEP2 建物の状態を確認する: 雨漏り・シロアリ・傾きがないか。賃貸に出すならどこまで直す必要があるか、見積もりを取ります
  • STEP3 「貸した場合」と「売った場合」の数字を並べる: 賃貸の年間収支(空室期間込み)と、売却した場合の手取り額を比較します
  • STEP4 期限を確認する: 相続開始日から3年の期限、相続登記の期限を確認し、逆算してスケジュールを立てます

STEP3の段階で不動産会社の査定を受けておくと、「売ればいくらか」「貸せば月いくらか」の両方の数字が揃います。査定は無料です。判断材料を揃えてから決めるほうが、結果的に損をしません。

和泉市・近隣市で使える補助制度と相談窓口

解体や相談には、市の制度が使える場合があります。

  • 和泉市 老朽危険空家等除却補助金: 老朽化して危険な空き家の解体に対する補助制度です。補助の上限は1件あたり40万円とされています。また和泉市は、大阪府宅地建物取引業協会泉州支部・大阪府建築士事務所協会と連携し、宅地建物取引士・一級建築士による空家無料相談会を実施しています
  • 泉大津市: あき家バンクの運営と、除却に対する補助制度(工事費の2分の1以内・上限30万円)があります
  • 岸和田市 不良空家除却事業補助金: 老朽化した空き家の解体に対する補助制度があります。補助率・上限額は市の窓口でご確認ください
  • 大阪版・空家バンク: 大阪の住まい活性化フォーラムが運営する、府内の空き家を掲載できる仕組みです。掲載は無料で、年間アクセスは約15万件(令和3年度)。マッチングした物件の86%が掲載後1年以内に成立したとされています

補助制度は年度ごとに予算・要件・受付期間が変わります。また申請前に着工してしまうと対象外になるのが一般的です。利用を考える場合は、必ず着手前に各市の担当窓口で最新の要件を確認してください。

放置を選ぶとどうなるか

何も決めないことは、「放置」という選択をしたことになります。

2023年の空家等対策の推進に関する特別措置法の改正により、倒壊の危険がある「特定空家」だけでなく、その前段階である「管理不全空家」も指導・勧告の対象になりました。勧告を受けると、土地の固定資産税の課税標準を軽減する住宅用地特例(200㎡以下の部分は6分の1、超える部分は3分の1)の適用対象から除外されます。軽減がなくなるため、土地の固定資産税が大幅に増える可能性があります(出典: 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」)。

「まだ倒れそうではないから大丈夫」という状態でも、草木が繁茂していたり、屋根材が落ちかかっていたりすれば、管理不全空家と判断され得ます。

加えて、放置の間も毎年の固定資産税・火災保険料・草刈りなどの費用はかかり続けます。建物は傷み、売却価格は下がり、税制特例の期限は過ぎていきます。放置は「決めないこと」ではなく、「最も費用のかかる選択」です。

よくある質問

Q: 相続人が複数いて、意見がまとまりません。どうすればいいですか?

まず数字を揃えることをおすすめします。「売ればいくらか」「貸せば月いくらか」が分からないまま話し合うと、感情の議論になりやすいためです。査定は無料ですので、具体的な金額を全員で共有したうえで話し合うと、結論が出やすくなります。

Q: 遠方に住んでいます。和泉市の空き家の管理だけ頼めますか?

管理サービスを提供する事業者もありますが、費用が継続的にかかります。管理を続けるのか、売却するのかを比較したうえで判断されることをおすすめします。まずは「現状のままいくらで売れるか」を確認してみてください。

Q: 荷物が残ったままでも売れますか?

多くの場合、残置物ありのまま買取に対応できます。遺品整理の費用をかける前に、まず現状のままの査定を受けるのが順序としては安全です。

Q: 貸してみて、だめなら売る、という進め方はできますか?

できますが、注意点が2つあります。賃貸に出すための修繕費が先に出ること、そして入居者がいる状態では売り方が限られることです。入居者付きの物件は「オーナーチェンジ物件」として投資家向けに売る形になり、実需の買い手には売れません。価格も変わります。賃貸に出す前に、その点を踏まえて判断してください。

Q: 相続登記をしていませんが、査定だけ受けられますか?

受けられます。査定は登記の状況にかかわらず可能です。相続登記と査定を並行して進めると、売却の判断を早く固められます。

まとめ

相続した空き家の選択肢は「住む」「貸す」「売る」の3つです。判断は、家族の居住ニーズ→建物の状態→収支の比較→期限の確認、という順番で進めると整理しやすくなります。

和泉市は空き家率が全国平均より低く、売却では買い手が付きやすいエリアです。一方で賃貸用住宅の空き家率は25.58%あり、「貸す」という選択は競争の厳しさを前提に考える必要があります。そして、売却で使える税制特例には期限があります。迷っている時間そのものがコストになる、という点をどうか忘れないでください。

▶関連記事:『和泉市の不動産売却ガイド【2026年最新版】流れ・費用・成功のコツを完全解説』

スター不動産は、和泉市・泉大津市・堺市エリアで不動産業30年・取引実績5,000件。売却の査定だけでなく、「貸した場合の賃料の目安」もあわせてご提示できますので、住む・貸す・売るの3つを同じ土俵で比較いただけます。相続登記がまだの段階、ご家族の意見がまとまっていない段階のご相談も歓迎です。まずは無料査定・無料相談からお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年10月時点の制度にもとづく一般的な解説です。補助制度の要件・予算は年度ごとに変わります。税制特例の適用可否は個別事情により異なるため、具体的な判断は各市の窓口・税務署または税理士・司法書士にご確認ください。

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